メインネット/アップグレードに関する内容
昨年10月のFilecoinのメインネット公開当初から長らく改善必要とされてきた、マイニング時の高額なGas(ガス)費に対して、大きな進展がありました。
Filecoinの公式サイトにて、Filecoinのメインネットのアップグレードが発表されました。
「Lotus v1.10.0 / actor v5」と呼ばれる今回のアップグレードによりプログラムが効率化され、マイニング時に発生していた高額なガス費が大幅に引き下げられる形になります。
ここまでの経緯を少々振り返ってみると、Filecoinのガス費はメインネット公開当初より、事前予想に反してその費用の高さが多くのマイナーから指摘されてきました。
このガス費とはデータの送信時の手数料の一種のようなものですが、そのプログラムの性質上、使い終わったらBurnされる(燃やされる)ため、
どこの利益になるものでもなく「少なければ少ない方が良い」もの。
ガス費が高すぎると多くのユーザーがFilecoinから離れてしまう可能性もあり、公式も早くからそのプログラムの改善に努める旨の声明を出してきましたが、
今回のアップグレードにてその問題解決のためにプログラムが改善されたというわけです。
アップグレードの内容とは?
少々具体的なお話をすると、これまでマイナーがデータをシーリングし、チェーン上にデータをアップロードして報酬を取得する一連のプロセスの中で、
マイナーによる「担保」と「データ保存の証明」の手続きでガスが大量に消費されてきましたが、
今回のアップデートでは特にこの担保時、並びにデータ保存の際に発生するガスが大幅に削減されることになるようです。
特にマイナーがノードを立てる初期の段階で大量に準備する担保のガス費が大幅に下げられる見込みということで、マイナーの収益の改善につながるため、
マイナーの新規参入を後押しし、結果として今後のIPFSサーバーの成長への期待にも繋がることでしょう。
すでに参加しているマイナーとしてもFilecoinのエコシステムが更に快適なモデルになることはポジティブなニュースになっています。
ガス費削減の程度は、サーバー全体の利用量やネットワーの潜在的な需要に依存する場合があるとのことなので、明確にどれくらい削減されているのかは実働の中で見ていく必要があるようですが、
IPFS、そしてFilecoinのエコシステムが日々改善が加えられ、その技術的価値が上昇することは嬉しい限りです。