分散型ストレージを構成するWeb3.0の技術であるIPFS。
それを運用するエコシステムを構成する重要要素のFilecoin。
この技術はアイデア次第で様々なサービスへの応用が考えられていますが、
世界のデジタルデータの消費量が加速度的に増えている問題に対する一つの解決策という元々の設計思想を盛り込んだ、まさにIPFSの王道的なサービスがプロトコルラボ社からリリースされました。
それが「Web3.Storage」 です。
Web3.Storageとは?
無料で使える、Protocol Labsによる分散型ストレージサービス
Protocol Labsがリリースした「Web3.Storage」は、Filecoinの分散型ストレージ・ネットワークからデータを取得及び格納を行うことのできる、シンプルな見た目のインターフェイスを持つサービスです。
簡単に言えばクラウドで使えるストレージサーバになりますが、これは一般の利用者向けというよりも、アプリケーションなどの開発者・デベロッパー向けに提供されたサービスになるようです。
これまで開発者はIPFSの技術を使って新しいサービスを開発する上で、少々複雑な開発工程が必要でした。
それに対し、このWeb3.Storatgeを使うことで一部の複雑な手続き・開発がスキップでき、IPFSのシステム内で分散化された余剰のストレージとコンテンツベースのアドレスデータを組み合わせ、アプリケーションを構築しやすいインフラが提供できるとしています。
例えば、このWeb3.Storageへ保存されたデータへは、様々な方法でアクセスできます。
Web3.Storage自体からだけでなく、IPFSゲートウェイから、自身のノードから、そして将来的にはFilecoinリトリーブからも可能になるとのこと。
このようにデータに対して複数のオプションがあることで、アプリケーションの開発の自由度が広がり、開発が行いやすくなるという訳です。
つまり、アプリケーション開発のハードルを下げる仕組みと言えるでしょう。
更に、プロトコルラボ社はFilecoinのユーザーとデータ領域を増やし、経済圏を拡大させる目的で、このサービスを無料で提供すると決定しました。
このサービスにデータを格納しても、そしてデータを取得しても、課金されません。
このWeb3が無料開放されることで、アプリケーション等のサービス開発者は積極的にFilecoinデータ領域を使うサービスを開発することができます。
開発者にとってみればこのサービスを活用するアプリケーションの維持費用が非常に安く済むことになるため、開発のモチベーションも高まることが期待されます。
その結果、様々なサービスが生まれ、データが多く使われれば、ファイルコインマイナーの報酬にも好影響を与えることでしょう。
結果としてマイナーが提供するストレージも増えるスパイラルに中長期的に持っていく。
それがプロトコルラボ社の目指している一つの動きであると考えて良いでしょう。
Web3.Storageに関しての詳細はこちらのサイトもぜひご参照ください(英語)。